なぜあの曲はあんなに名曲なんだろう?
なんでこんなに刺さる言葉が書けるんだろう?
そう思ったことはありませんか?
僕も自分で作詞・作曲をするなかで、どうやったら名曲を書けるんだろう、と考え続けました。
その作詞方法を細かくまとめた記事を書いたので、まずはそちらをご覧ください。
この記事でまずは基本的な考え方とテクニックを身に着けた後、名曲を分析し、自分自身で実際に作詞をしてみることが、作詞スキルを上達させる何よりの近道になります。
しかし、時には書籍から「アーティストは作詞で何を考えているのか」「どういったテクニックを使っているのか」ということを取り入れることもいい刺激になります。
また、「歌詞を書く」ということに対する創作意欲・モチベーションも本を読むことによって刺激されるので、作詞に詰まったときにこういった本を読むのもいいでしょう。
ということで、この記事では僕が実際に読んで「これは作詞に役立つな」と強く感じた本を5冊紹介していきます。
作詞をする前に読むべき5冊
1. 音楽とことば あの人はどうやって歌詞を書いているのか
本のタイトル通り、
「あの人はどうやって歌詞を書いているのか」
というテーマを中心にしたインタビューに、以下総勢13人のアーティストが答えたものをまとめた本です。
安藤裕子
いしわたり淳治(ex.スーパーカー)
小山田圭吾(コーネリアス)
木村カエラ
小西康陽
坂本慎太郎(ゆらゆら帝国)
志村正彦(フジファブリック)
曽我部恵一
中納良恵(エゴラッピン)
西井鏡悟(スタン)
原田郁子(クラムボン)
向井秀徳(ZAZEN BOYS)
レオ今井
テーマは「どうやって歌詞を書いているのか」なのですが、あくまでインタビュー集でありHow to 本ではないので、その内容はアーティストごとにとても多岐にわたっています。
実際にどのように歌詞を書いているのか、どういったことからインスピレーションを受けるのか、何を題材にするのか、といった具体的な歌詞の作り方から、人生とは、日々をどのように過ごすのか、などといった広い話にまで及んでおり非常に読みごたえ抜群です。
13人もいるとやはり作詞に対する考え方や方法は人それぞれ。
しかし、なによりも注目してもらいたいのは、それぞれのアーティストがそういった考え方や方法をしっかりと言語化できるくらい体系的に考えている、ということです。
一見してアーティストとは天才的な感性で作詞や作曲を行っていると思われがち。
しかし、この本を読むと「あぁ、あんな名曲もしっかりと考えて作られているんだな」ということに気づかされました。
個人的に好きで長い間印象に残り続けているのは、フジファブリックの志村正彦さんのパート。
この本を読んで改めて、志村さんは名曲を生み出すために人生をかけつづけた人だったんだな、ということを思い知らされました。
好きなアーティストが一人でもいれば、絶対に買って損はないです。
2. 新しい音楽とことば
「音楽とことば あの人はどうやって歌詞を書いているのか」の続編で、同じく以下総勢13人のアーティストがインタビューに答えています。
石野卓球(電気グルーヴ)
後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
菊地成孔
七尾旅人
前野健太
大森靖子
髙城晶平(cero)
若旦那(湘南乃風)
ティカ・α(やくしまるえつこ)
じん
の子(神聖かまってちゃん)
三浦康嗣(□□□)
tofubeats
人選が前作よりもすこし渋くなっているのですが、こちらもまた読みごたえ抜群。
特に、湘南乃風の若旦那のインタビューが意外や意外(失礼)、すごく面白いです。
正直、湘南乃風は全然好きではなかったのですが、若旦那のインタビュー記事を読んでちょっとだけ好きになりました。
前作を読んで面白かったのであれば、こちらも気に入るはずです。
3. 東京、音楽、ロックンロール 完全版
フジファブリックの志村正彦さんがメジャーデビュー以降の5年間を綴った日記をまとめた本。
志村さんの超ロング・インタビューや秘蔵写真なども収録されており、志村正彦という人が好きであれば、ぜひとも読んでもらいたい1冊です。
志村正彦さんは2009年12月24日に死因不明で他界しました。
少し前、同年の7月には元THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのギタリスト、アベフトシさんも急逝しており、どちらの訃報もそれはそれは衝撃的だったことをいまでも鮮明に覚えています。
志村さんが日々何を感じ、どう考え、音楽、そして人生と向き合ってきたのか。
そういったものを志村さんの言葉を通して知ることによって、歌詞を作るうえで、というよりも音楽というものへの向き合い方そのものにきっと影響を与えてくれるでしょう。
数々の名曲(「茜色の夕日」や「若者のすべて」など)の誕生にまつわる話に、特に僕は心動かされました。
4. くるり詩集
少し古い本なので、いまでは中古でしか手に入らないかもしれません。
くるりの2010年ごろまでの名曲の歌詞をまとめた詩集になります。
僕はいくつか好きなアーティストの詩集を買ったことがありますが、だいたいの詩集は買った後に結局「いや、音楽聴きながら歌詞読んどいたらええやん」と思っていました。
しかしこの詩集がすごいのは、掲載されている楽曲の解説というか、その楽曲のベースにあるストーリーがこと細かく説明されていること。
「歌詞読んでるだけでは絶対わからんやろそんなストーリー!」
というものも多かったです。(というかそういうのばっかり)
しかしそういったストーリーから、プロのアーティストがどういった風に歌詞のイメージを描き、言葉に落とし込んでいるのかという部分を感じ取ることができます。
くるりが好きならなおさらオススメですよ。
個人的には「ハム食べたい」という曲のストーリーがすごく好きで、「そうだったのか!」と目からうろこでした。
5. 読みたいことを、書けばいい。
これまで紹介した本ではわりと作詞のテクニック寄りな内容も多かったです。
しかし、「読みたいことを、書けばいい。」では、歌詞を書く上での根幹ともなる心構えを身に着けることができますよ。
とても面白いし読みやすいので、サクサクと一気に読めてしまいますし。
基本的に書いてある内容は、タイトルそのまま。
「(あなたが)読みたいことを、(あなたが)書けばいい。」
ということ。
それだけと言ってしまってはもとも子もないんですが。
でも、この本を読めば今後歌詞を書いていくうえで、本当に大切なことはなんなのか、を見失わずに作詞と向き合っていけます。
作詞を続けていると、「どういった歌詞を書くべきなのか」「ウケる歌詞とはなんなのか」という風に考え始め、だんだんと何をしたいのか、何が良いのかがわからなくなってくるんですよね。
いわゆるスランプというやつですが。
そんなときにこの本を読むと、自然と歌詞を書きたい意欲がわいてくるはずです。
自分が読みたいことを、書けばいいのだ、と。
作詞をする前に読むべき5冊まとめ
本記事は『読んだら作詞がしたくなる「作詞をする前に読むべき5冊」』について書きました。
ここで紹介した本はどれも僕にとって思い入れが深く、作詞をするうえでとても参考になった本ばかりです。
これらの本を読んだ後、もう一度曲を聴いて歌詞を読むと、また違った世界が見えてきますよ。
「ああ、そういう風に歌詞を書いているんだな」と。
そのほかにもオススメの本があればぜひコメントなんかで教えてくださいね!
それでは、読んでいただきありがとうございました。